SIS Lab
Menu
Menu Close
About
Archives
Docs
Tech
Life
Book
短歌
いつの日かギーク夢見た青年よ叶わぬ想いスーツを纏う
うたよみて空の己が浮き彫りに語彙と経験足らずにヤバし
井戸端の過去の頁を訪れて名無し刻みし文に顔付け
番頭の野球中継とケロリン父にねだったファンタは噴いた
はまらない形の違うひとかけら型に合わせて角を削らむ
今はもうLLMに聞かされるばぁやの知恵とじぃやの自慢
隣人がカレーを食べている横で食べるおにぎり実質カレー
ご自由にお嗅ぎくださいスパイシー無色おむすびカレーに変わる
秘められた光る言葉を手でつなぎセカイをひらく小人の営為
ランチどき賑わう香りと一緒に自席で食べる塩のおにぎり
空いた土地みなマンションに成り果てた つぎつぎつくる未来の廃墟
使い切り!化粧ボトルは減るけれどなぜか嬉しい実績解除
鉄鍋と共に過ごしたササラさん細る其身に別れを告げる
発言の手綱引く日の短さよ拡散するは逃げ馬の如
ふぞろいな歌集ナッツ見た目は悪いけど初めてつくったの、よんで。
生み出した言葉にざくり鉋掛け削り屑をも等しく愛す
ポストした投稿の下きみがいた「久しぶりだね」ぼくの声だけ
冬のそら定番ライン並んでる北陸グレイ関東ブルー
突沸しコンロが白海に沈む難航する朝のサルベージ
モゾモゾと動けどいまに出てこない布団ミノムシ冬の訪れ
バスの中借りた絵本ではしゃぐ姫ぼくは隣で井戸端会議
揺れるバス 本を握って眠る娘を抱えて左手でスクボする
かおる豆アラビキ粉をYouデムラス駱駝のセコブ 世界を巡る
なつかしの学友たちの夢の後覗いてみたいそっと遠くで
『ミルク1たまごがあれば2個買って』家には何故か並んだミルク
人のこと好きになることはあるんだ瞳に映る我人でなし
いまはもう詠めぬ歌あり色褪せたリトマス紙には青赤見えぬ
はみ出したクリームチーズ咎めなし つわものどもがリッツパーティ
鏡面で頬赤らめる照れ屋さんバイバイしてもすぐ顔見せる
伝えたい気持ちを音に難読化なんなの歌人ツンデレなのか
継続は不継続をも許すこと いつか坊主になるその日まで
お買い得あれもこれもとカゴに積むここはコストコ会計注意
「若いね」と言われ育った職場にも新芽集まり僕が古株
Your Attention Is All I Need 奪い取りたい君のココロを
音もなく井戸端会議書きじゃくる小人の遊び枝葉を伸ばす
ウタマシン頭の中で飛び跳ねる認知資源の大飯喰らい
「あぶねぇぞ!」なんば交差路 一鬼夜行 慄きみれば(青やないかい!)
日常をなぞって残す写し文字かえりみるとき彼の日に戻る
音弄り欲の数だけ掛けぐるう「ままよ」と見切り世に出す覚悟
「積むだけで賢くなれる気がするの」重なる本と変わらぬ自分
本借りて読了せずに返す日々「それ意味あるの?」と冷ややかな目
朝カレー麦酒とともにかき喰らう 新宿BERG馴染みの味
ふと灯る緑の燈火君の影姿見えずも残る足跡
短文で心の機微を残したくさえずる鳥の小さなのぞみ
くずれゆく百四十の言の葉を三十一文字がとわへとつなぐ
肌寒く金木犀の香る朝うつろう四季の確かな感触